ガレージからくるまの姿が消えて2週間あまり。ディーラーから漸く連絡が入つた。ポロが直つた知らせである。
朝からてくてく歩いてディーラーまでとりに行つた。
ルーフを本国から空輸で取り寄せ、フロントガラスを交換、他にも鈑金でへこみを直したり、塗装をしたり……との事。保険を目いつぱい使つて修理してあつた。仕方がない。
一通り話を聞いて、運転席に着く。まだわづかしか乗つてゐないが、とまれ、愛車のシートである。やつぱりしつくりくる。少し塗装の臭ひが残つてゐる。お見送りを受けながら走り出す。
走り出して気付いたのだが、ポロ、結構じやじや馬だ。活溌なくるまである。兎に角走らう走らうとする。
116iがおとなしいくるまだつた事を、今更ながらに理解する。ポロは、アクセルを踏めばどんと加速する。排気量が小さいとは言へ、ターボがよく効くのである。ブレーキを踏めばきつちり止まる。これは116iと変らない。
しかし、運転の仕方は、116iとポロとでは、結果として全く異る風になつた。ポロを走らせると、やたら荒い運転になる。しかし、助手席に坐るおふくろは、116iよりもポロの方が安心して乗つてゐられる、と感想を述べた。ポロの方がゆれないのである。116iは足回りが少し固かつた。