公開
2019-08-28
執筆者
野嵜健秀 ( @nozakitakehide )

spice up!試乗記

2019年7月にフォルクスワーゲンのディーラーで、うちのポロの6ヶ月点検をやつて貰つた時、待ち時間にup!の試乗をさせて貰つた(代車扱ひ)。車種は限定車のspice up!。オシャレなup!をさらにオシャレに仕立てたくるま。

up!はトランスミッションがセミATのASGで、癖がある、ともつぱらの評判。ディーラーの人もその辺注意して下さいねと言つてゐた。

ASGはMTのクラッチ操作を機械が自動でやるもの。ギアが上がる時、エンジンからの力の伝達が切れるので、かつくんかつくんする。ディーラーから出てしばらくの間はASGをマニュアルモードにして、手動でギア変速させてみたが、面倒になつてすぐオートモードに戻した。言はれてゐるほど酷くはない。走り出し直後、スピードを上げる間が問題なので、スピードが出てギアが上がり切れば、あとはスムーズに走る。

広い道で法定速度まで速度を上げると、車体は安定して、不安感は全くない。急坂も元気良く登つて行く。

エンジンが自然吸気で、ポロのやうなターボではないから、やや非力であるのは否めないが、感覚はリニア。アクセルペダルを踏んだら踏んだ分だけ走る。坂道を登る時には目いつぱい踏めば良い。坂道発進はヒルスタートアシストがあるから安心。

6Rポロを走らせると妙な奥深さが感じられるが、up!を走らせると奥深さよりもスポーティーさが強く感じられる。しかし、我武者羅とか必死とかいつた感じはしない。がんばつて走つてゐるにしても、余裕が無い感じはない。日本のニュータウンの道くらゐなら気楽に飛ばせる。

軽く雨に降られたが大した降りにはならず、ただただ湿気が多いだけ。エアコンがマニュアルなので操作がちょっとわかりにくかつた。いくぶん暑かつたが、宛はれたまゝそのまゝにしておいた。がまんするほどの不快さではない。

かるく一時間ほどでディーラーに戻つた。駐車場で、バックで駐車スペースにとめようとしたら、ギアをRに入れてアクセルペダルを踏んでもバックしない。少し坂になつてゐるのだが、ちよつと力を入れてペダルを踏んだらやつとバックした。ASGは、アクセルペダルを踏むとギアがつながるしくみ。前進ならヒルスタートアシストが効くので一般的なATやポロのDSGと大して違はないが、バックはまるきりMTだつた。最後の最後にやつとそれらしい癖に遭遇できて、ちよつと嬉しかつた。バックが苦手なので実用上はちよつと困る。