公開
2017-02-27
執筆者
黒マント ( @blackmantt )
おことわり
この記事は2015年春頃に執筆されたものです。

自動車レビュー/スズキ・MRワゴン(初代・ジアラバージョン)

 あれは確か、平成25年6月頃だつたと記憶してゐる。父親から電話がかかつて来て、「車要らないか」と訊かれた。どんな車かと訊いたら、スズキ・MRワゴン、軽で4AT、4WDだと云ふ。その當時、丁度車を欲しいと思つてゐたが、MTで2WDの車に乘りたかったのでその時は断つた。しかし、2013年11月に車検が切れると云ふ事で10月くらゐにもう一度父親から電話がかかつて来た。

 MRワゴンと実家にあるもう一台の車と、父親が乘つてゐるバイクの車検が一気にくるらしく、金が苦しいからMRワゴンの車検代を払って、そしてそのまま貰つてくれと言はれた。

 車検代払ふだけでタダで車が貰へるならそんなに安いものは無い、と云ふ事で、親からタダ同然で貰つた。

 そもそも、親がこの車を入手したのも、「会社の部下の親が車を買ひ換へるのに下取り15万と言はれ、『なら俺が20万で買ふ!』」と言つた経緯らしい。

 しかし、それでは実家に車が余るのは分かり切つてゐる事なので、今考へると始めから私にくれる積りで買ひ取つたのではと思ふ。

 折角親がくれたこの車、車にかけるお金の余裕は余りないし、これからバイクに乘りたいと思つてゐるので壊れるまで乘る積りでゐる。

 AT車と云ふ事でMTにする為にトランスミッションを換装すると云ふのは、そこまでするなら違ふ車に乘る方が遥に現実的なので諦めた。4WDの方は、車の下を覗いたら楽にプロペラシャフトが外せさうで、実際1時間も掛からずに外せてFF車になつた。

 乘つた印象は、軽なのに室内が広い。私は身長が182cm程あるのだが、頭は天井につかないし、椅子を後ろまで下げれば足も相当伸ばせる。

 私は月に1、2回くらゐの頻度で車で遠出するので、100km/h出した時のエンジンの回転数も気になるのだが、メーター読みで約4600rpm程だった。ボンネットがあるので、回転数の割にエンジン音は思つた程気にならない。

 さり気なく書いたが、軽自動車は上位グレードで無いとタコメータが無いモデルも多い。タコメータが附いてゐるのも好印象だ。

 そして、ダッシュボードがやたら廣い。廣いからなんでも置けてしまふ。とは云つても、フロントガラスに映り込むのが嫌なのであまりダッシュボードに物は置かないのだが。

 後ろの椅子を倒せば、流石に4ナンバーの軽ワンボックスには敵はないが荷物もそこそこ積める。

 この車自身の性能と云ふ訳では無いが、カーナビはそこそこいいものを取り附けた。クラリオンのNX613と云ふ機種で、當時のクラリオンの上位から2番目のモデルだ。なぜそんな軽自動車に不釣合ひなものを附けたかと言へば、クラリオンのダウンロードボイス(要は声優ナビ)に対応してゐるのが上位2機種だけだつたからだ。おかげで今は阿澄佳奈さんの声で道案内をして貰つてゐる。

 このカーナビは前面に外部入力端子が無いのだが、代りに後ろにビデオ入力端子がある。當然映像だけでなく音声も入力出来るので、そこからコードを伸ばして席まで届くやうにして、Walkmanを接続して音楽を聴いてゐる。

 機種を選ぶ時はh.264でエンコードしたmp4ファイルを再生できると云ふのも条件の一つにしたが、いざ使つてみるとカーナビ用に解像度などを調整して再エンコードしなければならない動画ファイルが多過ぎて面倒で、結局動画再生は殆どしてゐない。

 カーナビを買ふ時點で国土交通省がDSRC普及キャンペーンなるものを実施していて、期間内にDSRC車載機を買ふと20000円キャッシュバックされる。と云ふ事でDSRCも附いてゐるので渋滞情報なんかも入つてきてとても便利だ。

 不満な所は、やはりATな點だ。後は高速道路で坂道を登らないとかあるが、これは自然吸気エンジンの軽自動車の宿命なので諦めるしかない。

 このMRワゴンはジアラバージョンと云ふ特別グレードで、前後のバンパーがオリジナルデザインになつてゐる。しかし、車高を低く見せる為にバンパーが結構下まで伸びてゐて、歩道を横切つて車道に出るときに段差でフロントバンパーを地面に擦つたり、バックで駐車する時などは車止めの縁石にリアバンパーをぶつけないか気を附けなければならない。見た目は良いのだが使ひ勝手はやや惡い。

 エンジンは今のところ順調で、オイル交換もこまめにやつてゐるのでエンジンは長く持つだらう。

 カーステレオの音質も少し物足りないので、今度スピーカーを高品質な社外品に交換してドアのデッドニング加工をしようと思ふ。

 また、前のギアボックスから前輪までのドライブシャフトを外して、センターデフを直結させて再びプロペラシャフトを附けたら、今時の軽乗用車では珍しいFR車が出来る。その改造も少し考へてゐる。

 今の私を取り巻く状況に大きな変化が無ければ次の次の車検も取る事になるだらう。